誤解を理解へ。旭川で聞く介護の仕事
皆さんは「介護の仕事」と聞いて、どんなイメージを持っていますか?「きつそう」「汚そう」「メンタルが削られそう」――そんな先入観が先に立つことも少なくありません。今回編集部は、旭川市福祉保険部長寿社会課の皆さまが制作された、“介護職にまつわるゴカイをほどく”ことをテーマにした動画から、旭川で働く介護職6人と、福祉を学ぶ学生2人の声に耳を傾けました。
仕事に入る「きっかけ」は、意外と身近だった
まず印象に残ったのは、仕事に入る「きっかけ」の身近さです。実習で利用者さんと会話を重ね、「ありがとう」と言われたことがうれしくてこの道を選んだ人。前職の経験の中で、施設に来ていたお年寄りを「かわいいな」と感じたことが出発点になった人。介護職には「汚い」「給料が安い」といったイメージが根強く、家族に反対されたという声もありましたが、「手に職をつけたい」「資格を取れば自分の力になる」と、学び直しを重ねながら今の現場に立っていました。自分の個性やキャラクターを活かしながら頑張れる仕事だと思えた、という言葉も聞かれます。
大変さはある。それでも「心が元気になる」理由
もちろん、体力面の負担があるのも事実です。介助が続けば腰を痛めることもあり、経験をふまえて将来はケアマネジャーを志す――そんなキャリアの選択も語られました。それでも、入浴介助で利用者さんがほっとした表情になる瞬間を見たとき、「大変だけどやりがいがある」と言葉がこぼれる。一日動いて疲れても「体は疲れるけど、心が元気になる」。現場の実感として語られる言葉には、説得力があります。レクリエーション担当として「もっといろいろ考えて、みんなで楽しいことをしたい」と話す人もいて、介護が“お世話”だけではないことが伝わってきました。
業務の現実と、互いに支え合う現場の工夫
“汚い”という印象については、排泄介助など避けられない業務がある一方で、「やっていくと慣れる」「それ以上に利用者さんとのやりとりがたくさんあるから気にならなくなった」という声も。近年はiPad等の導入で記録が効率化し、利用者さんと向き合う時間を確保しやすくなったという話もありました。力仕事は性別に限らず得意な人が担い、難しい場面は他の人がフォローする――互いに支え合う“チームの技術”が、安全と安心をつくっていることも見えてきます。


「知らないまま誤解しないでほしい」——動画に通底する願い
動画に通底するのは、「知らないまま誤解しないでほしい」という願いでした。旭川で出会った声は、介護の現実を美化せずに語りながら、それでも「やってよかった」と言える理由をまっすぐに示しています。向き不向きを決める前に、まずは知って、見て、感じてみる。そこから社会の見方も、仕事の選び方も少し変わるはずです。
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