古くから日本人の暮らしと共にあった「染め」。
伝統的な「刷毛引き本染め」を今も守り続けている染工場が、旭川にあります。
布を鮮やかに染め上げながらも、大量生産の時代には染まらない、日本の伝統美の魅力を紹介します。
旭川市の1条本通りに工場を構える「近藤染工場」は、明治31年創業の老舗染物工場。
徳島から開拓移民としてやってきた初代・近藤仙蔵氏が始めた藍染めが、その原点です。
刷毛引き本染めが生み出す、重厚で鮮やかな色彩
「刷毛引き本染め」は、裏表なく染め上がる「本染め」の一種で、宙に浮かせた生地に刷毛を引くようにして染める、伝統的な染色技法です。
重厚で鮮やかな色合いが大きな特徴で、染料の濃淡や刷毛使いによって、多彩な表現が可能です。
染めない部分を保護する「糊置き」や、色ごとに刷毛を使い分ける「染め」の工程は、微妙な力加減と繊細さが求められる、まさに職人技。
一つひとつの作業に、長年培われてきた技と感覚が込められています。
全国から支持される、手仕事の染物
かつては全国に多く存在した染物工場も、戦後の合成染料やプリント技術の進歩により、現在では数を減らしました。
その中で近藤染工場は、伝統技法を継承し、今もなお頑固に守り続ける染工場のひとつです。
全国から注文が寄せられる大漁旗やのれんなどの大型オーダー品をはじめ、手ぬぐい、コースター、風呂敷といった日用小物も多く製作。
地元の作家やデザイナーとのコラボレーション商品や、日常使いできるバッグなど、商品展開も多彩です。
これらの商品は、工場併設の直営店舗とオンラインショップで購入可能。
大量生産のプリントでは表現できない、本染めならではの美しさと温もりは、お土産や贈り物としても喜ばれています。
染めの工程を体験できるワークショップ
近藤染工場では、「染め」の工程を体験できるワークショップも実施しています。
伝統技術に触れられる貴重な機会として、親子連れや日本文化に関心のある外国人旅行者にも好評です。
詳細や予約は、遊び・体験スポットの予約サービス「アソビュー！」で確認できます。
「染は心の美、技の冴えは伝統」
大量生産の時代にあっても、近藤染工場が掲げるこの信念は、
“本物”の染めのように、色鮮やかに今へと受け継がれています。
オンラインショップについて
毎年恒例の干支にちなんだ商品は、今年は午（うま）の小物を12月頃に発売予定。
送料全国一律200円のクリックポストなど、利用しやすい配送方法も選択できます。
近藤染工場オンラインショップ
株式会社近藤染工場
【所在地】北海道旭川市1条通3丁目右1
【TEL】0166-22-2255
【直営店舗 営業時間】8:30〜17:00
【定休日】日曜日、祝日（土曜日不定休）
【P】あり
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